あろは。

2026年もあっという間に折り返し地点です。
今回は、ハワイ島西側、コナからコハラコーストにかけてのリゾート不動産市場を見ていきます。

今年のハワイ島リゾート市場は「ひとつの市場」としては語れません。

ワイコロア・ビーチ・リゾート、マウナラニ、マウナケアといった、いわゆる従来型のリゾートコンドミニアム市場は、在庫が増え、買い手がより慎重に選ぶ市場へと変化しています。

一方で、クキオ、フォーシーズンズ・フアラライ、コハナイキといったプライベートクラブ系の超高級リゾートは、まったく別世界。希少性、メンバーシップ、プライバシー、サービス、そして長期的な資産価値に支えられ、引き続き強い動きを見せています。

同じ「ハワイ島リゾート不動産」でも、見ている世界がかなり違うのです。

 

コハラコーストのリゾートコンド市場

現在、コハラコーストのリゾートコンド市場では、過去5年で最高の在庫水準となっています。

今年7月の在庫は2025年より少ないものの、2023年、2024年と比べると、まだかなり多い水準です。

一方で、今月は成約物件が大きく改善しました。ワイコロア、マウナラニ、マウナケアを合わせた成約物件は、6月の11件から21件へとほぼ倍増しています。

つまり、市場は止まっているわけではありませんが、買い手は慎重です。

価格だけでなく、管理費、修繕積立、賃貸収益の可能性、室内の状態、家具の状態、眺望、そして自分たちのライフスタイルに本当に合うかを、以前よりも細かく検討するようになっています。

数年前のように、「あるものをすぐ買う」という市場ではありません。

だからこそ、売り手にとっては価格設定と見せ方がとても大切になります。

ワイコロア・ビーチ・リゾート

ヒルトンがある、ワイコロア・ビーチ・リゾートは、主要なコハラコースト・リゾートの中では、もっとも手頃な価格帯の市場です。

2ベッドルーム、2バスのコンドミニアムの価格は70万ドル台からスタートで、マウナラニやマウナケアほど払わずに、ハワイ島のリゾートライフを楽しみたいという買い手にとって、現実的な選択肢になります。

ワイコロアの魅力は、やはり利便性です。

ショッピング、レストラン、ビーチアクセス、ゴルフ、ホテル、観光インフラ。非常に使いやすいリゾートです。日本からのオーナーにとっても、滞在時の便利さという意味では一番分かりやすい場所だと思います。ヒルトンの大規模タイムシェアがあるため、人が多いのが特徴です。

一方で、タイムシェアの存在をあまり好まない買い手もいます。ここは好みが分かれるところです。

ただ、便利さと賃貸需要を重視する方にとって、ワイコロアはとても実用的なリゾートです。

2025年のワイコロアの不動産市場は、需要が冷えてきているのに対して、価格が高止まりしていたため、動きがリゾートでは一番動きが悪かったです。今年に入り、価格調整が進んだことで、少しずつ動きが戻ってきています。

現在、コンドミニアムの中間価格は$1,109,000。前年比で約7%下落しています。平方フィート単価は$793。月換算在庫は約15.3ヶ月分です。6か月までがニュートラルな市場と言われています。

今年ここまで、マウナラニが強い理由

マウナラニは、2025年に中間価格はおよそ10%下落しました。

しかし、今年はかなり良い動きを見せています。

現在、コンドミニアムの中間価格は過去最高の$1,900,000。ほぼ200万ドルに近づいており、前年比では9.4%の上昇です。平方フィート単価は約$965。さらに、主要3リゾートの中で、今年もっとも多くのコンドミニアム取引を記録しています。

月換算在庫は約6.0ヶ月分で、ワイコロアと比べると、かなり健全な市場です。

マウナラニの戸建て市場も強く、今年の中間価格は$16,000,000。平方フィート単価は$2,613で、フアラライ・リゾートに近い水準まで来ています。

ただし、ここは少し補足が必要。

今年マウナラニで売れた戸建て3戸はいずれもオーシャンフロントでした。ですので、この数字をそのままマウナラニ全体の戸建て市場として見るのは少し危険です。オーシャンフロントは、やはり別物です。プライベートリゾートでオーシャンフロント邸宅を購入すると倍以上になるでしょう。

マウナラニの魅力は、ブランドとバランスにあります。

ただし、マウナラニもひとつの市場ではありません。マウナラニ・ポイント、アイランズ、カミロ、クララニ、ザ・ヴィレッジズ、パームヴィラズ。それぞれ動きが違います。

さらに、あまり表に出てこない戸建てミニリゾート風の分譲地もありますので、表面の数字だけなぞるのではなく、踏み込んでいくこ

マウナケアはなぜデータだけで判断しにくいのか

マウナケア・リゾートは、ハワイ島の中でもデータ分析が難しい市場のひとつです。

今年これまでに売れたコンドミニアムは9戸のみ。
これだけ取引数が少ないと、1件、2件の取引が、データを動かしかねません。

現在のコンドミニアム中間価格は$3,400,000。前年比では約30%下落しています。

ただし、この数字だけを見て「マウナケアが大きく下がっている」と判断するのは早すぎます。

昨年は新築のアマウイ・ヴィラの取引が価格を押し上げていました。サンプル数が少ない市場では、数字が市場の本当の方向性を正確に示さないことがよくあります。

そして、マウナケアには、データだけでは見えにくい魅力があります。

それは、ブランドです。

マウナケアを買う層は、マウナケアの熱心なファンが多いのです。
ブランド、ビーチ、ゴルフコース、そしてあの時代を超えた雰囲気。

マウナケア・ビーチは、今でもハワイを代表する名ビーチのひとつです。そして、この感情的なつながりは、不動産の価値にも影響します。

特にサンフランシスコでは、「マウナケア」というブランドは根強い人気を誇っています。

マウナケアは、クキオ、フアラライ、コハナイキのようなプライベートクラブ構造ではありません。ただ、もう少しリラックスした形でクラブ体験を楽しめるリゾートです。

今年60周年を迎え、新しいスパも完成し、客室も改装されました。
私より年上ですが、かなり良い年の重ね方をしています。

月換算在庫は約9.4ヶ月分。
数字上はややスローな市場です。

ただし、ヴィラズ・アット・マウナケアのような特別な物件は、今度も動きは良いでしょう。

プライベートリゾートはなぜ今も強いのか

プライベートリゾートは、完全に別の世界です。

クキオ、フォーシーズンズ・フアラライ、コハナイキ。
この3つは、一般的なリゾートコンド市場とはまったく違う動きをしています。

特にクキオとフアラライでは、供給と需要のバランスは今も売り手側に傾いています。

この市場は、金利や短期賃貸収益だけで動いていません。希少性、メンバーシップ、プライバシー、サービス。このあたりが、購買理由の中心です。つまり、買い手は単に「単価」で購入決定をするわけではありません。

「世界随一のライフスタイルにアクセスすること」

そこが一番重要なポイントなのです。

クキオは何が違うのか

クキオは、ハワイ州でもっともエクスクルーシブなプライベートクラブ・コミュニティといえると思います。

2026年も引き続き、非常に強い動きを見せており、その背景には、シリコンバレーからの強い買い手需要があります。さらに、株式市場、AI、テック、金融市場の好調も、超高級市場には少なからず影響します。

テックや金融市場が強い時期は、ハワイ島の超高級市場にもその空気が伝わってきます。ちなみに今サンフランシスコとシリコンバレーはAIバブルさながらの不動産の動きになっています。ここは今後ポイントになりそうです。

今年のクキオ戸建て中間価格は$21,500,000。平方フィート単価は$4,500を超えています。かなりすごい数字です。

ただし、クキオは一般的な不動産市場ではありません。

過去5年間で、クキオは年率約17%の上昇を見せています。
もちろん将来を保証するものではありませんが、少なくともこの市場が一般的なリゾートコンド市場とはまったく違う動きをしてきたことは明らかです。

フォーシーズンズ・フアラライの立ち位置

フォーシーズンズ・フアラライは、ハワイを代表するラグジュアリー・リゾートコミュニティのひとつであり続けています。

クキオとは少し違い、フアラライはセミプライベートな構造です。住宅所有者は、リゾートの一部をホテルのゲストと共有します。これをマイナスと見る人もいれば、むしろそこが魅力だと感じる人もいます。フォーシーズンズならではのサービス、レストラン、スパ、ゴルフ、リゾートの活気。そしてブランド。すべてが整っています。

そして、意外と知られていませんが、フアラライにはメンバー専用のゴルフコースとクラブハウスもあります。

在庫は引き続き非常に限られています。ヴィラ、コンドミニアム、戸建ての良い物件は、市場に出る前に、水面下で売れることが多い市場です。

今年これまでの戸建て中間価格は$15,500,000。前年比5.5%の上昇です。平方フィート単価は$2,815。

サービス、ブランド、安心感、そして確立されたリゾートライフ。
これを求める買い手にとって、フアラライは今も非常に強い選択肢です。

コハナイキはまだ成長途中、でもすでに実力派

コハナイキも2026年は好調です。

今年前半は最前列の住宅が$21,000,000で売却されました。これだけでも、この市場の強さが分かります。

コハナイキの面白いところは、すでに確立されたコミュニティでありながら、まだ完成途中であることです。開発全体としては約60%の完成度で、今後も新しいプロダクトが出てくる予定です。

つまり、成熟感と将来性の両方がある市場です。

コハナイキには、他のプライベートクラブと比べると、少し若くて現代的なエネルギーがあります。

最近では、コハナイキのヴィラ価格も、一部のセグメントではフアラライに近づいてきています。新しいハレ・カハラのレジデンスは500万ドル弱の価格帯からスタートしており、今後のコハナイキ市場をさらに形作っていく存在になるでしょう。

新しい建築、将来のアップサイド、そしてプライベートクラブ・ライフを求める買い手にとって、コハナイキはしっかり見ておきたいリゾートです。

さて、後半はどのようなうごきになるでしょうか。