今日は全米大手ローン会社である、ウェルズ・ファーゴのコナ支店長からオバマ政策を含む、新しいローン基準について話をきいてきました。

ファニー・メイとフレディ・マックはご存知でしょうか?新しい映画の主人公ではありません。連邦住宅抵当公庫と連邦住宅貸付抵当公社の愛称です。民間金融機関からローン債権を買取り、証券化市場で住宅ローン担保証券を発行する業務などをおこなっており、住宅ローンの流通市場を整備・育成し、米国市民による住宅取得を容易にすることを目的としています。
米国ではローン会社でローンを組んだとしても、そのほとんどがファニーとフレディに売られていきます。ファニーとフレディのローン基準があまりも甘くなりすぎたためにサブプライムが起きたと言っても過言ではないかもしれません。良

そして今年5月よりフレディとファニーのローン買取基準が厳格されました。ということは、フレディが買い取ってくれないローンはローン会社も提供しないということです。もっとも深刻なのがコンドミニアム・ローンに対する基準強化です。一部を紹介すると:
‐住民の7割が主たる住居としていないコンドミニアムのローンは買い取らない
‐短期レンタルをしているコンドミニアムのローンは買い取らない
‐新規開発物件の場合にはすでに75%売れていなければ、ローンは買い取らない
‐コンドホテルは一切受け付けない
など、ハワイのリゾートコンドミニアムはほとんどローンが付かないような状況になっています。なかでも70%以上の住民が主たる住居として利用していなければならないというのは、かなり厳しい条件です。

こんななかでも地元銀行やローン会社は少し基準の甘いローンを提供していますが、それでも51%以上の住民が主たる住居として利用していること、頭金は最低3割。金利も0.5%アップ、信用スコアも740以上と、そうそうは借りられない状況で、ローン担当者も不動産業者も頭を抱えている状況です。

今回オバマ大統領がフレディとファニーに大規模な資金注入を行ないました。これによってローンを多く債権化し、不動産を活性化させようという試み訳です。ただし、投資家も痛い目にあいましたから、内容を吟味して債権を購入するようになっており、リゾートコンドミニアムの債権はなかなか売れない状況です。

この状況はまだしばらく続くと見られます。ということはキャッシュバイヤーや頭金を多く入れられるバイヤーにとってはチャンスと言えます。またそのうちにフレディやファニーの基準も変ることでしょう。

また、オバマ政権は、ローン不払いによる差し押さえを減らすために、ローン救済措置を始めました。サブプライムローンを借りたために返済額が高くなりすぎ、返済が滞っている借主に対して、収入の31%まで返済額を修正する措置です。金利調整や支払い期間調整でも31%以下に収まらない場合には、元本据え置きで返済免除を受けられることになりました。もっともこれは一生有効なわけではなく、5年間に限った措置です。この措置を利用しようとするオーナーも多く、差し押さえ物件を減らすには効果がありそうです。

金利は5%を切り、不動産価も下落しています。まずは低い価格帯の在庫が減ってくることが重要でしょう。

最後に今日の家から撮影した夕日。

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