ハワイでの不動産売却を検討されている方にとって、知っておくべき重要なポイントがあります。
それは、日本とアメリカ(特にハワイ)では、不動産取引における商慣習が大きく異なるということ。
ここでは、売却前に知っておきたい、アメリカならではの「不動産のルールと考え方」についてわかりやすく解説します。
1|不動産手数料(仲介手数料)は売主負担
日本では売主、買主が「それぞれの仲介手数料を払う」というイメージが一般的ですが、アメリカでは売主が買主側の手数料まで負担するのが基本的です。2024年8月の規則変更で、買主側のエージェントは買主と代理委任契約を結び、買主が手数料を負担することになりました。とはいえ、1年以上経った今でも、基本は売主が支払う形が一般的です。ただし、買い手側のエージェントの手数料交渉は売買契約書の中で行うようになりました。市場に出ていない物件や、大幅に値切った場合などは、売主が買手側仲介手数料を支払わないケースもでており、その場合には、買主とエージェントの間の委任代理契約書に基づき買主がエージェントに支払うことになります。
通常、不動産手数料は5%~6%とされることが多く、
そのうち売主側エージェントと買主側エージェントが折版するスタイルが一般です。
2|仲介手数料(コミッション)は自由設定
アメリカでは、不動産手数料の割合は法律で決まっていません。
高額物件では低めに設定されることが多く、逆にg低価格物件(土地など)では 10%が一般的 なエリアもあります
たとえば、ハワイ島のプナ地区などは土地価格が非常に安いため、
10%の手数料がよく使われています。
手数料率は物件の価格帯やマーケットによって変わるため、売却の際はエージェントとの事前確認が重要です。
3|「専属専任契約(Exclusive Listing)」が基本
アメリカでは、不動産協会を通じて売却情報を全エージェントと共有する仕組みがあるため、複数の会社に同時に依頼するスタイル(一般媒介契約)は存在しません。
売主はひとつの不動産会社と専属契約を結び、「リスティング」するのがスタンダードです。
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どのエージェントでも物件を紹介することが可能(買主側)
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売却活動の主体(広告、交渉、契約管理など)は契約した1社が担う
これは、情報を市場全体にオープンに流通させ、より良い条件で早く売るというアメリカらしい合理的な仕組みです。
4|厳格な「告知義務(ディスクロージャー)」がある
ハワイ州では、不動産法に基づき、売主に非常に明確な告知義務が課されています。
特に住宅不動産(戸建・コンドミニアム)の売却では:
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売主は「重要事項説明書(Seller’s Disclosure Statement)」を自ら記入します
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約 80項目以上の質問に答え、物件の状態・過去の修繕・欠陥などについて開示する必要があります
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書類はすべて英語ですが、日本語訳もご用意しています
⚠️ 告知すべきことを隠したり、誤った情報を記載した場合、売却後であっても法的責任が発生する可能性があります。
ただし、買主が内容を理解し、同意すれば問題ありません。要は「正直に伝えること」です。
コンドミニアムや住宅に比べ、**商業用不動産(商業ビル・投資物件など)**の売却においては、
告知義務はやや緩やかで、**買主側の調査責任(デューデリジェンス)**が重視されます。
まとめ:日米の違いを理解し、スムーズな売却を
アメリカ、特にハワイでの不動産売却には、
日本と異なる考え方や仕組みが多く存在します。
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手数料は売主負担が商慣習の基本だが、2024年より状況は変化している
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契約は「1社限定」の専属専任契約
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正確な情報開示(ディスクロージャー)が必須
慣れない部分もあるかもしれませんが、これらのルールはすべて「安全で公平な取引のため」に設けられています。2025