ホノルルのメリマンズに行ってきました。毎回かなり美味しくて、幸せになります。島の本店とはだいぶ趣が異なりますが、どちらもそれぞれ素敵です。

メリマンズがハワイの主要4島に店を構えている州を代表するレストランであるのは有名ですが、発祥がハワイ島のワイメアであることを知らない方がいます。オーナー・シェフのピーター メリマンが、ハワイのファーム・トゥ・テーブル(地産地消)火付け役としても知られているのです。

すべての始まりはワイメアから

ハワイ島ワイメアは、標高約2,600フィート(800m)、涼しい高原の気候と朝霧が野菜やハーブの栽培に最適な環境です。そんな場所に1988年、ピーター・メリマンは大胆な挑戦をしました。「90%以上の食材を地元から仕入れるレストラン」を始めたのです。

当時はまだ珍しかった地産地消という考え方ですが、いまや常識となりました。ビジョナリーとは、未来を日常に変える人。ピーター・メリマンは、土地への敬意、そして地域とのつながりを大切にしながら、「ハワイ・リージョナル・キュイジーヌ(地域料理)」という新しい価値観を築き上げたのです。

4つの島を結ぶ“食”の絆

ワイメアの本店を起点に、メリマンズは現在マウイ島、カウアイ島、オアフ島にも展開。それぞれの店舗が、その島の文化や環境を反映しながらも、共通するのはメリマンズならではの「静かな自信」。「派手ではないけれど、深く心に残る」、そんな体験です。

私自身、ハワイ島とオアフ島の店舗を訪れたことがありますが、それぞれに島ならではの個性をだしつつ、地元の食材を使う、「メリマンズらしさ」が光っていました。メニューも2店で異なるのは、産地が異なるからです。真髄を同じくして、味、プレゼンテーションを変えているのが、私がホノルルのメリマンズに行きたくなる理由です。

料理のクオリティだけでなく、「誠実さ」「空間」「アロハスピリット」「オリジナリティ」が織りなす食体験です。

これこそが「クワイエット・ラグジュアリー」そのものなのかもしれません。派手でやないけれど、心に残ります。

東京から来た友人やクライアントたちも、メリマンズはお気に入りです。

ワイメア本店でのひととき

数週間前、友人とワイメアの本店を再訪しました。日が沈む少し前に到着しましたが、すでに店内は満席。地元の家族連れ、記念日を祝うカップル、観光客、リピーター… 皆が笑顔で過ごしていました。ちなみに予約は必須です。冬場のピークシーズンはなかなか予約が取れないので、早めに予約を取りましょう。

前菜にローカルのタコ・エスカルゴ、そして驚くほど新鮮なビーツのサラダ。ハーブとマンゴーを使ったサラダは、味が複雑で驚きました。メインはハワイ島の「カフア牧場」のラム肉。ちなみにこのメニューはオアフ店では提供されていません。地元キノコのポットパイ(これもオアフではありません)は絶品でした。すべての一皿が丁寧で、バランスが取れていて、心に響く味でした。ハワイ、特にハワイ島ではお金を出してもこのクオリティには出会えません。

どこをとっても「意図」と「配慮」を感じるひと時でした。

なぜ、今メリマンズを伝えたいのか

メリマンズと取り上げているのは、「流行っているから」でも「予約が取りにくいから」でもありません。

むしろ、その逆。

派手さはないけれど、芯のある贅沢。 ブランドで飾らず、本質を大切にして、 土地と人に敬意を払う、持続可能な在り方。

自分自身もそのように在りたいと思います。

最後にひと言

もし、これからハワイを訪れる予定があるなら、ぜひメリマンズを旅のリストに加えてみてください。

とくにワイメア本店は、原点。オアフから40分のフライトです。是非。

ただし、予約をお忘れなく。

心も、お腹も満たされる体験になりますように。