毎年4月は、静かなヒロの町はハワイ文化の晴れ舞台へと一変します。
世界で最も権威あるフラの大会「第62回メリーモナーク・フェスティバル」が、今年も4月20日から26日まで開催されるからっです。伝統への敬意を込め、ハワイ全土から、そして世界中からフラのハラウや、フラ愛好家たちがハワイ島ヒロに集結します。とはいえ、私を含めて、多くの人にとって、メリーモナークの入場券を確保するのは夢のまた夢。先日のドジャーズの開幕戦と同じくらい難しい。
毎年チケット申し込みは抽選で、郵送のみ。運よく当たる確率はごくわずかです。勿論、今年のチケットは手に入りませんでした――しかし~!
だからといって、フェスティバルに参加できないわけではありません。
実際、メリーモナークの真の魅力は、競技そのものだけでなく、その余韻が島全体に広がっていくところにあります。コナに住んでいようと、フアラライやマウナ・ラニに滞在中していようとも、ハワイの奥深いライフスタイルと、文化的ルーツに触れる機会があふれているのです。
フラ―踊り以上のもの
24年前にハワイに移住した当初、私自身フラについて知識がなく、「美しい芸能」くらいにしか思っていませんでした。ケアウホウ・ショッピングセンターで、今では踊りのお師匠さんでもある友人のフラを初めて生で見たとき、その認識は大きく変わりました。
フラは単なる動きではありません。フラはチャント(詠唱)であり、祈りであり、祖先や自然、土地への敬意を込めた神聖なストーリーテリングなのです。
私自身は踊れなくても、フラはハワイの日常の中に息づいています。娘たちは学校でチャントやフラを学び、私も、その文化的役割に深い敬意を抱くようになりました。メリーモナークの期間中、その想いは世代を越え、文化を越え、地域社会を越えて共鳴すると言ってよいでしょう。
ハワイでは、フラは生活のリズムの一部。ディナーパーティーや家族の集まりで、誰かがふと踊り出すのはよくあることです。神聖な場所に入る前や、大切な瞬間の前にチャントが唱えられることも。最初は違和感を感じまましたが、暮らしていれば、それが自然に感じられるようになります。フラは、土地や祖先、そしてお互いを敬う手段なのです。
もしまだ古典フラ「フラ・カヒコ」を観たことがないければ、ぜひ今年体験してみることをお勧めします。伝統的なチャントと打楽器で表現されるフラ・カヒコは、テレビでも生中継されますので、チケットがなくても大丈夫。
【テレビ放送予定】
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4月24日(木):ミス・アロハ・フラ
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4月25日(金):団体フラ・カヒコ(伝統フラ)
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4月26日(土):団体フラ・アウアナ(現代フラ)
きっと心を動かされるはずです。ハワイの見方が変わるかも。
日本からのフラ巡礼
メリーモナークの影響は、ハワイの島々を越えて広がっているのは周知のとおり。日本ではフラが人気で、何万人もの生徒が、ハワイの伝統に敬意を込めてフラを学んでいます。毎年多くの日本人フラダンサーが、本場の空気に触れるためにヒロを訪れています。
彼らにとっても、フラは単なる「エンターテイメント」ではありません。
チケットがなくても楽しめる?
とはいえ、チケットがない場合、どうするか?
たとえチケットがなくても、以下のイベントはすべて無料で参加可能です:
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ホオラウレア(4月20日・日)
競技前に行われる地域のハラウによるフラのお披露目。間近でフラの「真髄」に触れられる貴重な機会です。 -
ホーイケ・ナイト(4月23日・水)
ハワイだけでなく太平洋諸国のダンスも披露される、文化の祭典。チケット不要。必要なのはアロハスピリットのみ。 -
メリーモナーク・ハワイアン・アートフェア(4月23日〜26日)
アフック=チネン・シビック・オーディトリアムで開催されるアートフェア。地元のクラフトや音楽、アートを体験できる活気あふれるイベントです。コロナで開催が取りやめになっていたようですが、今年から再開です! -
昼のフラ・パフォーマンス(4月21日〜25日)
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グランド・ナニロア・ホテル:正午
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ヒロ・ハワイアン・ホテル:午後1時
ゆったりとした雰囲気の中で、フラを間近に楽しむことができます。
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メリーモナーク・ロイヤル・パレード(4月26日・土)
ローカル人気のパレード。フロートやパウ・ライダー(馬に乗る女性)、さまざまなパフォーマンスが、島の誇りと美しさを祝います。
ビッグアイランドのライフスタイルを感じて
メリーモナークはここでの生活がどれほど特別かを深く感じられる貴重な機会です。美しい景色だけでは語れない、精神的な豊かさ――それがここにはあります。
フェスティバルの写真ギャラリーも素晴らしいので、ぜひ公式サイトをのぞいてみてください。フラの静かな美しさが、そこにあります。
2025年メリーモナーク。チケットなし組も、一緒に楽しみましょう!