あろは!

2024年も最後の月となりました。先週は米国の雇用統計や、ブラックフライデーの小売り販売データを見ても、米国の経済は依然底堅い状況です。IMFによれば、2025年の世界経済の成長率は今年と同様の3.2%の伸び。米国は2%程度になるという見方です。日本は1.1%の伸びを予測しています。

では、今月の不動産市場動向です。

コナのコンドミニアム市場: 価格の上昇が進む中での課題

2024年12月、コンドミニアムの売り物件数(Active Listings)は159戸に達し、2020年12月以来の水準となりました。一方で、需要を示す成約物件数(Pending Sales)は2020年の50%に留まっています。しかし、中間価格(Median Price)は前年比17.12%増の65万ドルに上昇し、競争が激化する中でも価格はむしろ上昇が続いています。

  • 月換算在庫(Months Supply) は7.1か月と、買い手優位の市場に近づいています。
  • 売り物件数対成約物件数の比率は5:1を超え、売り手には厳しい状況となっています。

ハワイ島では引き続き、コンドミニアムの保険問題が収束せず、色々なプロジェクトで賦課金、共益費の大幅値上げが続いています。ハワイでは大手だった保険会社が1社がハワイのコンドミニアム市場から手を引いたのが大きく影響しています。過去のブログでも説明した通り、コンドミニアムの躯体、共用部の保険が大幅(倍以上に上がり)さらに先払いを強いられる状況になっています。

保険問題と共益費費の上昇は、買い手にとっては、購入ハードルとなるケースもあり、2025年の市場動向に影響を与える可能性があります。


コナの一戸建て住宅市場: 安定したバランス

一方で、一戸建て住宅市場はより安定しています。中間価格は前年比7.26%増の125万5,000ドルに達しましたが、2024年第3四半期以降伸びがやや緩和しています。

  • 在庫水準 は2021年1月と同水準にもどりましたが、成約件数はその時期の50%に留まっています。
  • 売り物件数成約物件数の比率は2:1と、まずまずの水準です。
  • 月換算在庫 は3.3か月と安定しており、市場に出てから成約までの平均日数は22日になっています。

    ハワイ島リゾート市場: 供給数の増加

    ハワイ島のリゾートも供給数が増えており、特にコンドミニアムの保険問題により、リゾートコンドミニアムの売り物件対成約物件の比率に変化が見られます。
    下はハワイ島のリゾートコンドミニアムの売り物件数と成約物件数を12月時点で比較したものです。明らかに2021年、そして2024年に市場が変化しているのがわかります。2024年12月現在は、売り物件6に対して、成約物件が1と、これまでの極端な売主有利な市場が変化したことが見て取れます。

リゾートでは戸建ての数が非常に限定されているので比較が難しいのですが、コナ同様戸建市場の方が安定していますので、やはりコンドミニアムの保険問題が影響しているといえるかもしれません。年末から年初にかけて保険の更新時期にあたるコンドミニアムも多く、春頃には保険問題はいったん落ち着くとみられます。

そんな中、超高級リゾート市場の動きは未だ衰えず、フアラライのビラは依然売り切れ状態。戸建ても$10M(15億円)まではとにかく動きが活発です。

2024年12月のハワイ島不動産市場データをまとめたフリップブックはこちらからアクセスできます