WalletHubが発表した2026年の「全米で最も幸せな州ランキング」で、ハワイが全米第1位に選ばれました!

ハワイ島に暮らすようになってはや25年。やはりうれしいニュースです。

今回の調査は、全米50州を対象に、心身の健康、職場環境、地域社会など30項目を比較。ハワイは生活満足度で全米1位、うつ病の割合が全米で2番目に低く、成人の約84%が自分の健康状態を「良好以上」と回答していたことが評価されたようです。また、CDCの州別寿命でも、平均80.0歳で全米トップという、なかなか立派な数字。

とはいえ、人の出入りが多いのもハワイの現実です。ハワイが幸せの絶対的な答えというわけではないでしょう。

ハワイが幸せな理由

幸せな理由として、人があります。

「ハワイ島の人って、本当に親切ですね」と言われます。

確かに知らない人でも笑顔で挨拶をし、ご近所同士で立ち話をする。車の運転中も道を譲り合う。こうした日常の小さな交流が、ハワイの暮らしを心地よいものにしているように思います。最近は運転中、ハワイの良さが減ったと思う習慣が少なくないですが。。。

特にハワイ島は人口が少なく、都会特有の慌ただしさもありません。人との距離が近く、地域とのつながりが今でも残っていると言えるでしょう。

ハワイの魅力は何といっても一年を通して屋外で過ごせる気候だと思っています。

自分自身、運動不足ではありながらも、毎日を振り返ると、散歩、草むしり、ゴルフ、家の手入れなど、意外によく体を動かしています。それが365日できるのは、それだけで健康にはよいはず。

もちろん、天気が良いからといって心の健康が保証されるわけではありませんが、それでも、気候が日々の生活習慣と身体に与える影響は大きいと感じます。

楽園にも現実がある

一方で、今回のランキングで少し疑問を感じたのが、経済的な安心感に関する評価です。

ハワイは一般的なイメージとは異なり、世帯収入や雇用などの指標では比較的良い数字が出ています。が、実際の生活はそれほど楽ではないはずです。

住宅価格、家賃、電気代、食料品、建築費など、生活にかかる費用は全米で最も高く、夫婦共働きや複数の仕事を掛け持ちしている人も少なくありません。

Financial Health Networkが2019年に発表した調査では、ハワイの成人の69%が、家計の何らかの面で問題を抱えていると報告されています。少し古いデータではありますが。

世界的な富裕層が多くいる一方で、ローカルのファミリーが住宅費や生活費の負担に苦労しているのも事実です。

この両方が共存しているのがハワイの現実なのです。

ここで快適に暮らしていくためにも、地元のビジネスを応援し、サービスを提供してくれる人たちに感謝し、地域を大切にする姿勢を忘れてはいけないと感じます。

この島を特別な場所にしてくれているローカルが、ここで安心して暮らせることが大切です。子どもを持っているとこの点は特に強く感じます。

ハワイで感じる本当の贅沢

自分自身を振り返ると、ハワイ島のシンプルな暮らしが一番気に入っています。

友人とラナイやビーチで集まり、寒くも暑くもない完璧な気候の中で海を見ながら食事。特別な服装も必要ありませんし、高級レストランの予約もいりません。

こういったシンプルな時間こそが、なによりの贅沢に感じられます。勿論ミシュランのレストランも大好きなので、比較するものではないでしょう。

ハワイ島では大富豪が、普通のTシャツに短パン、ビーサンで歩いていることが普通。人にどう見られるかを、それほど気にしなくていいのが、心地よいのかもしれません。シンプルに自分自身でいられること。これも一つの贅沢かもしれません。

幸せにも慣れてしまう

ただし、人間というのは、どんな環境にもすぐに慣れてしまう生き物です。

心理学では「ヘドニク・アダプテーション(快楽順応)」と呼ばれる現象のようです。

新しい車も、憧れの家も、最初は感動しますが、やがて日常になります。素晴らしいオーシャンビューさえも。25年住んでいると、夕日を見るのを忘れてしまうことがたびたび。もったいない話ですよね。ハワイ島に降り立った時のあの感動は、もはやありません。安堵の気持ちはありますが。

さらに、僕が勝手に「太陽疲れ」と呼んでいる現象もあります。

コナで雨の日があると、ちょっとうれしくなるのです。晴天を無駄にしているという罪悪感なしに、家でゆっくり過ごせますから。これはコナで生まれ育った娘たちも言っていますから、ローカルならではの感覚なのかもしれません。

幸せとは、当たり前の日常のありがたさを忘れないことなのかもしれませんね。

変わりつつあるラグジュアリーの価値観

今回のランキングをきっかけに、World Happiness Report(世界幸福度報告書)やハーバード大学の長期研究、その他の幸福度に関する調査を読んでみました。

それぞれ幸福の定義や測定方法は異なりますが、共通して感じたのは、幸せな人生は必ずしもお金だけでは決まらないということです。お金は必要ですが、それだけではないと。。。

これは、最近のラグジュアリー不動産市場のトレンドとも重なります。

以前は、大きな家、高級車、有名ブランドなど、目に見える成功がラグジュアリーの象徴でした。もちろん、今でもそうした価値観はありますが。

しかし、最近のラグジュアリー不動産のキーワードは、「クワイエット・ラグジュアリー」。モノから、コトへ。すなわち、時間、健康、プライバシー、家族、自然といった体験やライフスタイルに重点がシフトしています。

マッキンゼーのラグジュアリー市場やウェルネスに関する調査でも、モノの所有だけでなく、旅行や健康、体験に価値を見いだす傾向が指摘されています。

これはハワイ島の高級住宅市場にもよく当てはまっていると感じます。

1,000万ドルの豪邸は確かに素晴らしいものです。でもユーザーが本当に求めているのは、何気ない毎朝のラナイでコーヒー。年間を通じて窓を開けて眠れる安心感と気候。ビーチを散歩し、家族と夕食を楽しむ時間かもしれません。

そう考えると、本当の贅沢は住宅の価格、広さや設備だけではなく、その家がどのようなライフスタイルを提供できるかであるように思います。

現代の幸せをつくる5つの要素

さまざまな研究を読み、これまでの自分の経験を振り返ると、幸せにはいくつか共通する要素があるように感じます。

もちろん、これは学術的な理論ではなく、自分なりの整理です。

1. ウェルネス(心身の健康)

幸せの基本は「健康」。エミールも自分も健康を損なった経験があるからこそ、健康の重要性を認識していますし、また健康さえあれば、多くは乗り越えられると感じています。

ハワイの気候や自然は健康を保証するものではありませんが、良い生活習慣を築きやすい環境であることは確かです。

2. 人間関係とコミュニティ

ハーバード大学が長年続けている成人発達研究では、良好な人間関係と健康、幸福との強い関連が示されています。

また、World Happiness Reportの2025年版では、142の国と地域のデータを分析し、他の人と食事をする機会が多い人ほど、生活満足度や前向きな感情が高い傾向が見られました。直接的な因果関係を証明したものではありませんが、興味深い結果です。うちの母親からは、客人は福を連れてくるので、なるべく自宅に人を招くようにと、言われています。

ハワイでは「オハナ」という言葉を大切にします。親しい友人や隣人も「オハナ」と呼びます。自分の居場所があることは、とても重要な要素だと感じます。

3.  自分らしさ

ハワイ島では、見栄を張る必要があまりありません。高級車もブランド服も必須ではなく、普段着のままで気軽に人と付き合えます。まあ、高級車、ブランド物の洋服、タキシードがあっても使い道がない、という現実もありますが。。。

もちろん、どこにでも社会的なステータスは存在しますが、ここでは自分らしくいられる余裕があると感じます。自然体で暮らせること。これも幸せの大切な要素だと思います。

4. 感謝と気づき

我々はついつい恵まれた環境に慣れてしまいます。素晴らしい景色も、温暖な気候も、いつか当たり前になります。

真冬に屋外で食事ができること、庭で果物が採れること、目の前に太平洋が広がっていることは、考えてみれば本当にありがたいことです。

日常の小さな幸せに気づくことが、満足感につながるのだと思います。自分の運気が落ちてきたな、と感じたら、感謝ノートをつけるようにしています。

5. 自分に合った場所

誰にとっても幸せな場所というものは、存在しないでしょう。

マンハッタンの生活が大好きな人にとって、ハワイ島は静かすぎるかもしれません。一方、「ようやく理想の場所に来た」と感じる人もいます。

大切なのは、自分がどんな暮らしをしたいか。そして、その場所が自分に合っているかどうかです。

住めば都

子供の頃、引っ越すたびに母親が言っていた言葉ですが、なかなか含蓄のある言葉です。その場所に「慣れる」という意味もあるでしょうし、どんな場所でも「自分の居場所」にできるという、意味もあるととらえています。

ハワイに25年暮らして、ここがすべての人を幸せにする場所かどうかは、正直定かではありません。

ただ、幸せだと感じられる暮らしを実現しやすい場所であることは確かです。特に自分はハワイで健康になったので、感謝をしています。

ハワイが本当に全米で一番幸せな州なのかはさておき、自分に合った暮らしができる場所こそ、その人にとって一番幸せな場所なのではないでしょうか。

少なくとも、ハワイ島に暮らす僕にとってはそうです。

ランキングの順位より、そのことのほうが大切な気がします。