今月、娘のハワイ州高校テニス大会の応援のため、オアフ島へ行ってきました。試合観戦だけでなく、食事、買い物も楽しみ、そして改めて「島ごとに全く違う表情がある」ということを実感する旅になりました。

オアフやカウアイへ行くたびに、いつも真っ先に気づくことがあります。

それは「土の色」。

特にカウアイ島では、土が深い赤色をしていて、コナで見慣れている景色とはまるで別世界です。赤土は至るところにあり、赤土Tシャツはカウアイ島の名物でもあります。

靴にも付きますし、雨の後には家の外壁にも跳ね返ります。ハワイ島西側に住んでいる者からすると、少々不思議な感じ。

そして、もうひとつ。

「ロックウォール(石垣)が見当たらない」こと。

ハワイ島、特にクキオ、フアラライ、コハナイキ、マウナラニ、そしてコナやコハラコーストの高級住宅地では、溶岩石の石垣は風景の一部です。コナでは、冗談半分で、「石垣の量で家の価格が分かる」とも言われますから。

実際、カウアイ島の200万ドル以上の高級物件を検索してみたのですが、驚くほどロックウォールがありませんでした。ちょっと不思議。

ハワイ島のに慣れていると、ロックウォールがないだけで、どこか「未完成」のような感覚さえ受けます。もちろん悪い意味ではありません。その土地土地で建築は変わります。

ハワイ諸島は小さな島の集まりですが、島ごと、地域ごとの表情が異なり、建築も異なります。コナとヒロでもだいぶ違います。

鍵を握るのは、もちろん「天候」ですが、実は「時間」も大きくかかわっています。

ハワイ諸島は今も動いている

これは何度もブログでもやっていますので、今更ではありますが。。。個人的にハワイで最も興味深い事実は、ハワイ諸島が今も移動している、ということです。

ハワイ諸島は、太平洋プレートの下に存在する「ホットスポット」によって形成されました。ハワイ島のキラウエア付近のホットスポットでできた溶岩の島が、プレートの移動によって、少しづつ北西方向(日本方向)へ移動しているのです。今も、新しい島が生まれつつあり、古い島は遠ざかっていきます。ちなみに今海底で大きくなっている島はロイヒと言います。ロイヒが顔を出すのは早くて1万年後だそうです。

ハワイ諸島は毎年約7〜10センチ、日本方向へ動いているのです。ハワイ島に何年住んでも(25年ですが)、この話は何度聞いてもワクワクします。

  • ハワイ島:最も若く、今も形成中
  • マウイ島:約100万年
  • オアフ島:約300〜400万年
  • カウアイ島:約500万年

島を移動することは、まさに「地球のタイムトラベル」のなのです。

まだ若く、荒々しいハワイ島に対して、オアフやカウアイ島は、何百万年もの雨、侵食、酸化、植物の作用によって、全く違う姿へ変化しています。

オアフやカウアイを見て「300万~500万年後のハワイ島はこうなるのだろうか」と想像するのは、なかなか面白いものです。

なぜカウアイ島とオアフ島の土は赤いのか?

カウアイ島の有名な赤土は、長い年月をかけて風化・酸化した火山岩です。

ハワイの溶岩には鉄分が含まれています。そこに大量の雨と酸素が何百万年も作用することで、鉄分が酸化し、「酸化鉄」つまり自然のサビへと変化していきます。

その結果、カウアイやオアフで見られる深い赤色やオレンジ色の土が生まれるのです。

さらにカウアイ島は降水量が非常に多く、ワイアレアレ山は「世界で最も雨の多い場所のひとつ」として知られています。

長年の雨によって他の鉱物は流され、鉄分を多く含んだ粘土質だけが残ります。この現象は「ラテライト化」と呼ばれます。

こうして、美しく肥沃な赤土が出来上がるわけです。

ただ、個人的には少し複雑な気持ちもあります。

確かに緑豊かな景色や山々は圧巻です。でも、赤土が外壁やドライブウェイを汚しているのを見ると、少し気になってしまう自分もいました。

やはり自分は「ハワイ島派」なのでしょう(笑)。

なぜハワイ島=ロックウォール?

ハワイ島には溶岩がどこにでもあります。

クキオ、フアラライ、コハナイキなどの開発では、建築時に大量の溶岩石を掘り出します。そして、その石を建築の一部として再利用するのです。

だからこそ、ハワイ島の溶岩石の壁は自然に見えます。マウイも西側のワイレア(コナの次に超高級物件取引が多い地域)にはロックウォールを多く見かけます。ここも雨が少ない地域だからです。

ハワイ島では、ロックウォールは装飾ではなく、「その土地そのもの」といえるでしょう。大きな邸宅を溶岩台地に視覚的に馴染ませる役割も果たしていると言えます。

コナのラグジュアリー建築において、溶岩石は「質感」「重厚感」「土地との一体感」を生み出しています。もしロックロールががなければ、ハワイ島の多くの高級住宅は浮いて見えるかもしれません。

そして、ハワイ島が地質学的に若いからこそ、利用できる溶岩石が豊富なのです。

ハワイ島が「若く感じる」のは、本当に若いから

島ごとの年齢差は、空気感としてすぐに感じられます。

ハワイ島とマウイは、シャープで、黒く、荒々しい。オアフ島とカウアイ島は、柔らかく、緑豊かで、風化しています。

どちらが優れているという話ではありません。

同じ地球のストーリーの「異なる時間軸」なのです。人それぞれ、惹かれるポイントが大きく異なります。

カウアイ島の映画のような緑に魅了される人がいる一方で、コナの黒い溶岩、乾いた空気、青い海とのコントラストに惹かれる人もいます。私は後者。

島の違いは、気候だけでなく、島の年齢に由来しているのは間違いありません。

オアフに行ってテニスコートの周りの赤土(カウアイほど赤くなかったですが)みたら、なんだか色々書いてみたくなりました。

溶岩はハワイ島のアイデンティティであり、土台なのです。