さあ、いよいよ成約となりました。ここからが勝負です。

所有権が登記されてから問題が発覚しても遅いのです。売主の重要事項説明、家屋検査報告書、所有権報告書、管理組合の告知書などなど、大量の書類を短い期間で目を通さねばなりません。日本語でサポートがあるのとないのでは大きな違いを生みかねません。

いくつかポイントです。

1)ゾーニング
ゾーニングが利用目的と合っているか再確認しましょう。
バケーションレンタルなどは特定のゾーニングのみで行えます。商業、農業などゾーニングが決まっています。

2)建築許可
ハワイは無許可建築が非常に多いのが実情です。銀行は建築許可が取れている部分のみにしか価値を算定しません。買ってみたはいいけれど、実はほとんどが無許可建築で売れない、ということもあります。離れがある場合、改築されている場合は要注意です。居住面積と表示面積が異なっているケースも多いのがハワイです。ここも確認しましょう。

3)下水
ハワイ島には基本、下水がありません。街やリゾートには下水がありますが、それ以外はセスプール(垂れ流し)か個別浄化槽です。セスプールは2004年に米国環境保護局が禁止したため(ハワイではまだ合法)いずれハワイでも使用禁止になる可能性があります。現在でも複数の生活空間がある場合には、最低でも個別浄化槽が必要です。多額の罰金がくることもありますので、確認しましょう。

4)測量
ハワイと測量。非常に相性が悪いです。アバウトなハワイですから、石垣や建物が設計通りの場所にないというのは日常茶飯事です。測量は売主の義務です。杭打ちだけでなく、建物の位置まで記載した測量を必ず求めましょう!

5)告知
ハワイでは、「告知」が一番重要。瑕疵があっても、「告知」して、納得して購入してもらえば、問題にならないのです。ということは、調査期間中に売主が提出してくる重要事項説明を含む、様々な告知関連の書類は全て目を通す必要があります。重要な箇所については翻訳を求めましょう。不動産エージェントは問題を解決できないかもしれませんが、問題の存在を明らかにする義務があります。調査期間は買主が待ったをかけない限り、期限が過ぎると終了してしまい、キャンセル権利を失います。最初の2週間は何よりも重要です。