
ハワイで不動産を売却する際、特に非居住者や外国人オーナーにとって気になるのが「源泉徴収(Withholding)」という制度です。
ハワイに住んでいない方、または外国籍の方が物件を売却する場合、特別な「税金」がかかるわけではありません。ただし、売却時に一定額を先に納めておく義務(源泉徴収)があるため、事前の理解と準備が大切です。
HARPTAとは?(ハープタ)
ハワイ州が定める源泉徴収制度で、正式名称は Hawaii Real Property Tax Act(HARPTA)。
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対象者:ハワイ州の非居住者(アメリカ人・外国人問わず)
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徴収率:売却額の7.25%
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タイミング:取引完了時(エスクローが自動で徴収)
この制度は、バブル期に一部の外国人が利益を得てすぐにハワイを離れたことから導入されたと言われています。
FIRPTAとは?(ファープタ)
こちらは連邦政府による源泉徴収制度で、正式には Foreign Investment in Real Property Tax Act(FIRPTA)と呼ばれます。
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対象者:外国人売主(米国非居住者)
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徴収率:売却額の15%
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タイミング:同じくエスクローが取引完了時に徴収
結果的にどうなる?
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米国人の非居住者:7.25%(HARPTA)
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外国人の非居住者:7.25%(HARPTA)+15%(FIRPTA)= **合計22.25%**が源泉徴収される可能性があります。
これらは「課税」ではなく、税金の前払いとして扱われます。売却後に確定申告を行い、実際のキャピタルゲイン税が源泉徴収額より少ない場合は、差額が還付されます。
覚えておきたいポイントまとめ
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✅ ハワイ非居住者は売却額の 7.25% をハワイ州に源泉徴収される
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✅ 外国人はさらに 15% を連邦政府に源泉徴収される(合計22.25%)
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✅ 売却後の 確定申告で還付申請が可能
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✅ ハワイ州分については、キャピタルゲインがない場合など 免除申請が可能
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❌ 連邦分(15%)は原則免除不可(時間的に難しい)
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✅ ハワイの法人名義で保有している場合、源泉徴収がかからない
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✅ 外国人であっても確定申告は必要
売却前に知っておきたいこと
源泉徴収は、買い替えや次の投資にも影響を及ぼす可能性があります。だからこそ、売却前にハワイの会計士と相談することを強くおすすめしています。
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どのくらいの売却益が出るのか
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どれくらい源泉徴収されるのか
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どのように還付申請するのか
これらを事前に理解しておくことで、スムーズな売却と資金計画が可能になります。なお、取引後の確定申告と還付作業費用を取引経費に含めることも可能ですので、ご相談ください。
最後に
ハワイの不動産売却には、日本とは異なるルールがいくつか存在します。特に源泉徴収は、多くの方が見落としがちな重要ポイント。買い替えの場合には、大きな障害ともなりえます。「知らなかった」で損をしないためにも、事前の情報収集と専門家との連携がカギになります。
もし今、物件の売却や買い替えを検討されているなら、いつでもご相談ください。できる限り分かりやすく、丁寧にご説明いたします。