今週のローカルニュース:4月8日~4月14日

2016年4月9日:ハワイの地熱発電
ここ火山の島、ハワイ島では現在プナに地熱発電所があるが、ハワイアンと環境保護団体から強い反対を受けており、現段階では新たな地熱発電の研究を行うことすらが困難な状況になっている。プナの地熱発電に反対する強硬派の「プナ・ポノ・アライアンス」は地熱発電施設は火山の女神「ペレ」とハワイ文化への冒瀆としている。 暗礁に乗り上げた感のある地熱発電政策だが、ここにきて、ハワイ島開発課がおよそ30万ドルの予算を計上し、地熱発電がハワイアンに及ぼす影響についての調査を実施し、報告書を作成することを検討していることが明らかになった。地熱発電反対派は、ハワイ大学による地熱研究もすべて差し止めるよう働きかけている。ハワイアンや環境派との妥協が期待される。

4月10日:ケアラケクアのボタニカルガーデン
ケアラケクアにあるアイミー・グリーンウェル・ボタニカルガーデンが昨年閉鎖になり、所有者のビショップ博物館が現在土地を売りに出している。これに対、ハワイ島議会資源保護委員会は、同物件をハワイ郡が買い上げることをハワイ島郡知事に提案した。
15エーカーの同ボタニカルガーデンは 、希少なハワイ固有の植物を育成しており、その重要性が度々指摘されてきた。閉鎖後は、地元の住民がボランティア団体を立ち上げ、保護を試みている。ハワイ郡では、固定資産税収入の2%をこうした保全物件の購入資金に当てることができる条例が2006年に施行されている。
故エイミー・グリーンウェルはハワイの大地主ヘンリー・グリーンウェルの23人の孫の一人。エイミーグリーンウェルが1973年に53歳亡くなった際に、この土地を教育と文化啓蒙目的で ビショップ博物館に遺贈した。
現段階ではビショップ博物館が土地の売却に応じるかは定かでないという。同物件の価値はおよそ190万ドルと推定されている。同ボタニカルガーデンの年間入場はおよそ1万4千人。

4月10日:ハワイ島の来年度公共プロジェクト予算は3億8900万ドル(およそ400億円)
ハワイ州議会は、来年度のハワイ郡(島)の公共プロジェクト予算、3億8900万ドルの予算を可決した。
ハワイ州の会計年度は7月1日~翌年6月30日。
このハワイ島予算のうち、1億2600万ドルはコナ空港のアップグレード用となっており、航空レスキューおよび消防訓練施設建設、 連邦入国管理施設建設、セキュリティフェンスの交換などが含まれている。2100万ドルはヒロの新しい刑務所の建設用。その他コナの裁判所建設に5500万ドル。ハワイ大学病院をコナに建設する事を検討するための調査費用などが含まれている。本年度のハワイ州予算の最大の公共プロジェクトはコナ空港のアップグレードとコナの裁判所建設であることが、記者会見で発表された。

4月11日:ハワイ島の労働力不足
ハワイ島は人口が増え続けているものの、良質な労働力が足りないことが、コナ・コハラ商工会議所の調べによって明らかになった。地元企業の一番の悩みは良い従業員を確保することであり、2014年の新たな雇用、1143人のうち、55%はハワイ島の外から連れてきている。その内訳は、他島から16%、米国本土から25%、そして海外から14%となっている。
地元労働力は基本的なスキルと勤勉さが欠けているうえに、勤務時間が守れないことが大きな問題だという。

4月13日:ハワイ州観光局長のスピーチ
ハワイ州観光局にジゲティ局長が就任してから1年。先週のヒロの日系人商工会議所 でのスピーチで、同局長はハワイ島への観光客集客に力を注ぐと約束した。
ハワイ島のホテル稼働率は65.6%と州内で最も低い。
元々ハワイ州で酒卸業を営んでいた同氏は、現在はヒロを本拠地とするアロハシャツのシグ・ゼーンのオーナーでもある。米国はベイビーブーマー世代をミレニアム世代(18歳~34歳)が数で追い越し、この世代をどう取り込むかが課題となっている。今後バーチャルリアリティを取り込んだホームページを立ち上げ、火山やサーフィンなどを疑似体験してもらい、それをハワイの集客につなげたいという。ハワイ州観光局の年間予算はおよそ8200万ドル(85億円)。ハワイ郡への観光客数は4年連続で増加している。

4月14日:羽田・コナ直行便が認可
米国運輸省は13日、ハワイアン航空が申請していたコナ・羽田直行便を認めた。これと同時にハワイ州はコナ空港の仮入管施設の使用許可を連邦税関・国境警備局に申請した。仮施設の使用が認められれば、早ければ10月頃からコナ・羽田の直行便が実現する。コナ空港に本格的な入管施設の建設がいよいよ始まることをうけ、連邦国境・警備局が仮施設の使用を認めることが期待されている。これが認められないとホノルルで入国審査を受けてからコナに飛ぶことになるかもしれない。コナの入管施設は建設におよそ2年はかかると見込まれている。日本政府は、羽田発着の米国便を6航路増やすことを昨年決めた。今回のコナ・羽田便はその1つとなる。
この数年、コナを訪れた日本人観光客は年間平均で12万人~14万人。これは2005年の17万によりは少ない数字だ。