9月アップデート:効果を上げているプログラムたち

以前のブログでも何度か登場している、ハワイ州で最も信頼されている保険専門家の一人であるスー・サヴィオさんの話を聞く機会がありました。
かれこれ一年以上続いているコンドミニアムの保険料高騰問題ですが、久々に「楽観的な声」を聞くことができました。7月から施行された「ハワイハリケーン救済基金(HHRF)」をコンドミニアム保険に利用するための法律は、稀に見る、「タイムリーで効果がある法律」との評価です。

一部のコンドミニアム・プロジェクトでは、民間保険と比べてプレミアムが70%下がったケースも報告されており、これはAOAO(管理組合)と個別オーナーにとってまさに「天の助け」です。

HHRF:即効性のある支援

ハワイ州は民間保険に断られた組合に対して、HHRF(ハリケーン基金)を使って支援をすることを決定しました。民間保険会社をうまく巻き込んだことにより、申請プロセスも予想以上にスムーズに進んでいます。窓口を民間保険会社に託したことが功を奏しているようです。

HPIA(ハワイ住宅保険協会)も存在感を強める

これまで火山危険地域専用という色合が濃かった州のHPIA保険も、民間市場がカバーしきれない部分を補完する役割を果たし始めています。今年の11月までに、HO6型(コンドオーナー用保険)の適用が始まる見込みです。現在、過去に保険金請求を2回行ったオーナーは「ブラックリスト」入りし、オーナー保険の更新が拒否されるという悲惨な状況が続いています。

コンドミニアム修繕ローンプログラムが始動

保険加入に直結する老朽化問題を抱える組合が、州のローンを申請できるようになります。対象となるのは、コンクリ剥離(スポーリング)、防火スプリンクラー設置、配管交換、エレベーターのアップグレードなど、構造的劣化の課題。これにより、保険会社からの評価も改善し、加入選択肢が広がる可能性が高まるのです

戸建て市場は比較的安定

コンドミニアムとは異なり、戸建て所有者は保険料の急騰には直面していません。スー氏によると、物件がしっかりと管理されていれば築年数はそれほど大きなハードルにはならないとのこと。これは、更新に不安を感じる戸建て住宅のオーナーにとって朗報です。

ようやく、前向きなニュースが聞けるようになってきました。これらの州のプログラムは、単すでに現実の成果を上げているようです。ハワイの保険市場はいまだに不安定な状態ですが、コンド所有者や住宅市場全体にとって、成果を生み出すツールが出そろいつつあります。

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