
パンデミックによる大きな変動を経て、米国およびハワイの住宅市場はいま、新たなフェーズに入りつつあります。
Compass 2026 Housing Market Outlook(住宅不動産市場の展望) によると、住宅市場は「リバランス(再調整)」の局面に入り、価格の安定、住宅取得のしやすさの改善、そして地域ごとの勢いの変化が見え始めています。
全66ページのレポートは、多くのデータと洞察が詰まっており、これまで在籍した会社と比較するとかなりレベルが高いと感じています。
今後の米国不動産トレンドにご興味がある方には、ぜひ一読をおすすめします。
内容をひと言でまとめるならば、2026年の見通しは以下の4つの柱に集約されていますが、不動産は極めてローカルなものであり、全米のトレンドをそのまま当てはめるのは乱暴です、
全米のトレンドを知ることは重要ですが、ハワイ、そしてハワイ島の市場はユニークであることを覚えておく必要があります。
今回は、この全米的な「市場リセット」が、ハワイ、特にハワイ島西側(コナ側)にとって何を意味するのかを見ていきます。
ラグジュアリー市場が引き続き牽引するこのエリアにフォーカスします。
2026年は「安定」の年になるのか?

コンパスの予測では、2026年の全米住宅価格はほぼ横ばい。
平均上昇率は +0.5% と見込まれています。
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在庫数:前年比 +10%
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住宅ローン金利:5.9〜6.9% のレンジで推移予想
つまり、
暴落もなければ、急騰もない。
長らく待たれていた「正常化」の年、という位置づけです。
ハワイ島に当てはめると、
・流動性の回復
・一部価格帯での現実的な価格設定
が進むことを意味します。
トレンド①:ロックイン効果の終わり
ここ数年、多くの不動産所有者は「低金利に縛られて動けない」状態でした。
しかし2026年は、その状況に変化が出てきそうです。

全米では現在、住宅ローンの20%が金利6%以上。平均的な既存ローン金利は 4.4% まで上昇しています。
その結果、
「低金利を手放したくない」という心理的ロックインが徐々に弱まっています。
ハワイ島では?
すでにコンドミニアム市場でその兆しが見えています。住宅金利の影響は特に低価格帯で顕著であり、保険問題が落ち着き、また金利に消費者が慣れてきていることから、市場に動きが出始めています。
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比較的手の届きやすい価格帯
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投資家+新規移住者の需要増
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昨年よりも明らかに高まるコンド需要
成約物件が増え、売り物件数が減少していることからも、買い手が再び市場に戻ってきているのが分かります。
トレンド②:「グレート・ステイ」の終焉
米国では、2022年以降、人口移動の動きが過去にないほど鈍っています。その要因として、住宅の高騰と経済不安感が挙げられています。雇用市場は、住宅市場の大きな支えです。
全米の雇用データは2026年の金利動向に影響しますが、ハワイのローカル経済は依然として堅調です。
2025年9月時点で、
ハワイ州の失業率は 2.5%(季節調整済)。
全米でも最低水準のひとつです。
この経済的な安定が、
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買い手の安心感
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住宅価格の安定
を下支えしています。
住宅の「手の届きやすさ」は、価格の急落ではなく、
所得の上昇が価格上昇を上回ることによる、緩やかな改善が見込まれます。
トレンド③:地域による明暗
全米不動産協会(NAR)などのレポートでは、ハワイ全体の不動産市場が停滞しているように見えることがあります。例えば下の図によればハワイの不動産市場は成約までの日数が125日と全米の他の地域と比較してかなり長くなっています。
これはホノルルの一部のデータが使われていることが想像できます。

ハワイ島西側(コナ〜コハラコースト)、特にラグジュアリー市場は引き続き好調です。
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高所得層の買い手は依然アクティブ
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主な流入元:カリフォルニア、太平洋岸北西部
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適切な準備・価格設定された超高級物件は、早く成約に至っています
今後も、
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経済・地域格差
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富裕層と、価格に敏感な層、の二極化
が、市場動向を左右する大きな要因であり続けるでしょう。
2026年、住宅価格は下がるのか?

全米の意一部都市では小幅ながら、価格調整が起すでに起こっています。
しかし、ハワイ島西側では価格は安定しています。
現在見られるのは、
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交渉余地の拡大
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戦略的な価格設定の重要性
コンドミニアムなどの比較的手頃な価格帯では、
価格の安定+選択肢の増加が同時に進み、
2026年は「価値重視の買い手」にとって良い年になりそうです。
なんといっても、一番頼りになるのは、ローカルな知識です。
全米平均は大まかな指標に過ぎません。
コナ、コハナイキ、フアラライ、マウナラニ、マウナケア。
それぞれのマイクロマーケットには、まったく異なる物語があります。
▶ Compass 2026 Housing Market Outlook(全文)はこちら
https://www.compass.com/research/market-outlook/agents/kai-ioh/